自分の名前も忘れたのだ。 それを救ったのは、アトレーユだった。 アトレーユはバスチアンといっしょに現実世界に帰れる門に来て、バスチアンの代わりに門を司る者と話をする。 「記憶のないものは、ここへ入ってくることができない、蛇たちは通さない、といっている。 」 「かれにかわって、ぼくがみんな覚えています。 」アトレーユが叫んだ。 「かれ自身のこともかれの世界のことも、ぼく